Perceptual Information Infrastructure

Key Members

石黒 浩, (田中 吾一), 十河 卓司, (佐川 立昌)

Project Objective

環境の随所に設置された複数の知覚エージェント(知覚能力, 計算能力, 通信 能力を有するもの)からなる実世界と計算機ネットワークを結ぶ新たな情報基 盤の実現を目指す. 知覚情報基盤[2]は単にデータを通信する従来の計算機ネット ワークとは異なり, 知覚エージェントによって能動的に獲得される実世界の情 報を維持管理し, 人間やロボットなど実世界で行動するエージェントの認知行 動を積極的に支援する. この知覚情報基盤を実現するために, 本プロジェクトでは, 視覚エージェント ネットワークの設計方法, 視覚エージェントの位置決め及び観測対象の対応問 題, 人間やロボットの広範囲な実環境における様々な行動のモデル化を研究す る.  

Current Status

知覚情報基盤の具体例として分散視覚システムを試作し, それに伴う新たな技 術について研究を行ってきた. 分散視覚システムは複数の視覚エージェントか ら構成される知能ロボットや人間のための情報基盤である.

まず, 提案する知覚情報基盤の具体像を得るために, 屋内に1/12スケールの街 モデルを作り, それを用いて16台の視覚エージェントと2台の移動ロボットか らなる分散視覚システムを製作し, 視覚エージェントにより複雑で動的な環境 においても安定に移動ロボットを誘導可能であることを示した[1]. 図 20 は製作した街モデルを用いた分散視覚システムである. 図に示されるように, この街モデルは影や地面のテクスチャ等, できるだけ実 世界を忠実に再現することで, 実用的なシステム開発における問題点を検証で きるテストベットになっている.

  
図 20: 分散視覚システム

また, 図 21は16台の視覚エージェントがロボットを誘導する様子を示している. 2台のロボットをそれぞれを濃さの違う灰色の枠で囲まれた視覚エージェントが誘導している. すなわち, ロボットは状況に応じて複数の視覚エージェントからの情報を選択しながら, 環境内を移動する.

  
図 21: 視覚エージェントによるロボットの誘導

また人間の行動を追跡するための分散視覚システムとして, 図 22に示 す全方位視覚センサ[3]を持つ複数の視覚エージェントからな るシステム[5, 6]を開発した. 広範囲の視野を持つ全方位視覚センサの特等をもとに, このシステムは実時間 でロバストに人間の行動を追跡することができる.

具体的なシステムを試作すると同時に, 分散視覚システムのコンセプトや基本 問題についても考察した. 基本問題としては以下の点に注目している.

1.
視覚エージェントの設計
2.
視覚エージェントの位置決めとロボットの同定
3.
観測とネットワーク通信による視覚エージェント間のコミュニケーション
4.
ロボットのタスクに応じた視覚エージェントの組織化
5.
分散視覚による動的環境モデル
6.
実時間分散認識手法とそれに適したネットワークの設計
これらの問題の内, 特に1と2に関してはかなり研究が進んでいる. 1については, 視覚エージェントが様々な視覚情報を利用できるよう全方位視 覚センサを開発した. この全方位視覚センサの開発過程において低価格で小型 のセンサを作るための独自の技術を開発した. 2については, 定性的な視覚情報から視覚エージェント間の位置関係を復元す るロバストなアルゴリズムを考案した[4, 7].

  
図 22: 人間の行動追跡のための分散視覚システム

Future Direction

これまでは, ロボットの行動の支援や人間の行動認識を行うための機能を中心に研究を進めてきた. 今後は, 上記3〜6の問題を中心に研究を進める予定である. これらの研究を経て, 知覚情報基盤の設計原理を導き, 実世界エージェントの 社会行動を支援する情報システムの設計法を確立することが最終的な目的であ る.

知覚情報基盤が対象とする環境は, 一つの建物や街に限る物ではない. 自然環境保護, 経済活動支援, 文化的活動支援等の全人類的活動を地球規模で支援するものである. 我々は, 知覚情報基盤(Perceptual Information Infrastructure)を次世代の 広域情報基盤(Global Information Infrastructure)として考えている.

References

1.
 Goichi Tanaka, Hiroshi Ishiguro and Toru Ishida, ``Mobile Robot Navigation by Distributed Vision Agents,'' International Conference on Computational Intelligence and Multimedia Applications (ICCIMA-97), pp. 86-90, 1997.

2.
 Hiroshi Ishiguro, ``Distributed Vision System: A Perceptual Information Infrastructure for Robot Navigation," International Joint Conference on Artificiall Intelligence (IJCAI-97), pp. 36-41, 1997.

3.
 石黒浩, 小型全方位視覚センサとその応用, M&E, 工業調査会, March 1998.

4.
 十河卓司, 石黒浩, 石田亨, ``空間的制約の伝搬に基づく定性的空間構造の同定,'' 電子情報通信学会論文誌, Vol. J81-D-II, No. 10, pp. 2311-2320, 1998.

5.
 Ryusuke Sagawa, Hiroshi Ishiguro and Toru Ishida, ``Real Time Tracking of Human Behavior with Multiple Omni-directional Vision Sensors,'' 4th Symposium on Sensing via Image Information (SII'98), pp. 179-184, 1998.

6.
 Hiroshi Ishiguro, ``Development of Low-Cost Compact Omnidirectional Vision Sensors and Their Applications,'' International Conference on Information Systems, Analysis and Synthesis, pp. 433-439, 1998.

7.
 Takushi Sogo, Hiroshi Ishiguro and Toru Ishida ``Acquisition of Qualitative Spatial Representation by Visual Observation,'' International Joint Conference on Artificiall Intelligence (IJCAI-99), 1999.



Top
Page
Free
Software
Publications Members Location Related
Servers