林 冬惠 (LIN Donghui)
(2008年9月博士課程修了)
(独)情報通信研究機構言語グリッドプロジェクト/専攻研究員
When I was a master student at Department of Computer Science and
Engineering, Shanghai Jiao Tong University, our group participated in the
Intercultural Collaboration Experiment 2002 (ICE2002) which was lead by
Prof. Ishida. Later, Prof. Ishida visited Shanghai for several times. We
communicated about splendid cultures of China and Japan, and sometimes also
argued about some history issues. That was how we got to know each other as
friends. But what impressed me most was his professionalism of research.
Every time when he came to Shanghai, he gave me a lot of help with my papers
and master thesis. I believed that there were much more things I could learn
from him, and finally he became my supervisor when we met again. Three years
of stay at Ishida & Matsubara Laboratory as a PHD student was all because of
an accidental encounter with Prof. Ishida, and it turned out to be the most
important experience in my life.
Studying as a PHD student in this laboratory is full of challenges and
opportunities. Faculty members in this laboratory are very kind but also
very strict with students. You should always remember to do everything with
best quality, from proposing research ideas to writing papers. Otherwise,
your evaluation score will always be ZERO. Sometimes, you will be required
to perfectly finish multiple important tasks in very limited time. You will
frequently have a hard time to challenge your own limitation, but that is
why you can improve yourself. The most important thing that a PHD student
will learn in this laboratory is how to do research and how to connect your
research with the real world rather than how to be an expert in a certain
research area. During the PHD course, you will also have many valuable
opportunities to organize or participate in projects, communicate with
important researchers in the world, visit famous companies, universities and
research institutes in Japan and foreign countries. You can get both
research experiences and social experiences in this laboratory that will
definitely help you in the future.
Currently I am working as an expert researcher at Language Grid Project,
National Institute of Information and Communications Technology (NICT). It
is a very challenging project that should always consider social impacts on
the real world. I find that the experience I got from this laboratory is
helping me to deal with many difficulties. If you also want to improve your
ability in various aspects, Ishida & Matsubara Laboratory will be a good
choice for you. Besides, foreign students will never feel difficulties in
communicating with faculty members and Japanese students because
"Intercultural Collaboration" is one of the most important research topics
in this laboratory.
山下 直美
(2006年9月博士課程修了,修士は京都大学 数理工学を専攻)
NTTコミュニケーション科学基礎研究所/研究員
私は社会人博士として2005年4月に入学し,2006年9月に卒業しました.短期間の在籍ではありましたが,その間にも石田研究室で学んだことはたくさんありました.
石田研究室では,世の中の動向やニーズを踏まえた研究を推し進めているため,社会との接点が多く,それに伴い多くの活動が行われています.また,個人の活動には限界があるため,プロジェクトが組まれ,プロジェクトの推進力を高めるための活動も活発に行われています.これらの活動を,在学生が中心となり,分担して行っています.これらの活動は,一見,研究内容と直接関係がないように見えますが,このような活動の中から,世の中のニーズに根ざした技術が生まれるのだと思います.
在学生は,これらの活動と並行して世界トップレベルの研究を行うことが期待されます.
このように様々な活動をバランス良くこなすスキルは社会に出ると必ず必要とされますが,
実際に身に付けるのはそう簡単ではありません.私自身も,負担に思う時期がありました.
そのようなときには,情熱的で前向きな先生方のご指導や励ましのお言葉に助けられ,なんとか乗り越えることができました.
現在,私はNTTコミュニケーション科学基礎研究所で博士のときに行っていた研究とは直接関係のない研究を行っていますが,今後も,石田研究室で学んだ精神を忘れずに,研究に邁進していきたいと考えております.
http://www.kecl.ntt.co.jp/csl/sirg/people/naomi/index-j.html
中塚 康介
(2000年3月学部卒,2002年3月修士課程修了,2006年3月博士課程修了)
住友電気工業株式会社 情報システム部
研究室では何時でもどこでもコンピュータが使えるユビキタス環境の実現を目標に,資源管理,セキュリティといった基盤となる部分から,その上での人と人とのコラボレーションについての研究をしていました.こう書くと一つの研究に見えますが,実際には好き勝手にやりたいことをやった結果,まとまりが無くなってしまってしまい,先生を随分と困らせてしまった手のかかる学生だったなと思います.
研究とは別にUNIXサーバに興味があったこともあり,研究室のサーバ管理者もやっていました.時には「国際ワークショップの論文投稿システムを作らない?」と先生からお誘いを受け,いろいろと問題を起こしながらも何とか完成し,ワークショップに連れて行ってもらえたばかりか,参加者の前で紹介もしてもらったということもありましたし,また,そういったお手伝いで,普通に過ごしていたら会うこともできないような雲の上の人と話をすることができたということもありました.バイトとして給料を頂けていたことも重要ですが,お金以上に,そういった刺激が忘れられないものです.
今は,システムエンジニアとして研究とは関係のない仕事をやっています.珍しいケースだとは思いますが,博士課程に進んでもこのような選択肢もありうるというのも,また面白い所だと思います.何でも好き勝手が出来るわけではありませんが,「普通でない」経験もできるのが大学です.是非とも自由な発想でチャレンジしていって欲しいと思います.
林田 尚子
(2002年3月修士課程,2006年3月博士課程修了)
富士通研究所
"学生の研究というのは内容は何でも良いのです."
石田先生から言われた最も印象深かった言葉です.博士論文の方向性を考えていた時だったと思います.博士というと,ある程度の専門性を兼ね備え,博士取得後も,専門性を活かしながら仕事を進めるものだというのが一般的な見解ですが,石田先生にとって,大学院というのは,学生の目線では研究者育成専門学校であり,研究テーマをいかにして見つけ,いかにして解決手法を見出していくか,その方法を身につけるための場所という位置づけのようです(違っていたらスミマセン).
現在,認証システム研究部という,石田研の研究内容とは,全く関係しない部署で仕事をしています.そこで役立つことというのは,当該専門学校で学んだHOWが中心です.情報系の研究テーマというのは自然科学とは異なり,恒久的なものはありません.それだけにHOWを自分の中に身につけることこそが,重要だと思います.
これを読まれるあなたは,受験生でしょうか?少しでも新しいものに触れたい,それが私が情報系を専攻した時の思いです.あなたはどのような思いをお持ちでしょうか.自分の中にあるほんの少しの興味は,HOWを身につけることで,大きく育てることができるものだと思います.
村上 陽平
(2001年3月学部卒業,2003年3月修士課程,2006年3月博士課程修了)
(独)情報通信研究機構言語グリッドプロジェクト/研究員
石田研には学部4回生から博士修了まで6年お世話になりました.配属当初は修士で就職を当たり前のように考えていましたが,修士2年生でアメリカの研究室に半年間滞在させてもらい博士への進学を決断.それからは複数のエージェントをどのように協調させるかをテーマにマルチエージェントシステムのプロトコル記述言語やマルチエージェントシミュレーションの研究を行いました.
研究室の特徴がら,研究範囲は基礎的なものに留まらず,避難シミュレーションへの適用など実社会にも目を向け,情報技術が社会にどのような影響を与えられるかを常に考えさせてもらいました.よく博士に進学すると社会との接点が無くなるのではと思われがちですが,石田研では,実社会の観測を通して問題を抽出し汎化して研究テーマとするので,社会との繋がりがとても強いです.
このような社会と連携した研究スタイルは,現在の所属でも活かされており,世界中の大学や研究機関で開発されている辞書や機械翻訳を連携させて,国際交流や多文化共生活動の支援を行う言語グリッドプロジェクトを推進しています.このプロジェクトでは,実際の現場で活躍しているNPOと連携し,ユーザからのフィードバックを受けながら研究を進めています.このように石田研究室は非常に社会との繋がりが強い研究室です.そのため思い通りに行かず苦労もありますが,自分たちの研究開発したものが現場で利用されるのを見ると本当にパワーになるものです.自分の力で学術界だけでなく社会にもインパクトを与えたい方,石田研で力試しはいかがでしょうか?
http://langrid.nict.go.jp/~murakami
田中 慎司
(2000年3月修士課程,2006年3月博士課程修了)
株式会社はてな 執行役員
石田研では,市場モデルとマルチエージェントによるQoS制御の研究をしていました.博士は前職に在籍していた時に,(石田先生に多大なご迷惑をおかけしつつ)社会人博士として取得しました.石田研は,研究テーマも魅力的で,人も素晴しく充実した時間を過すことができ,様々な面で成長することができました.
現在は,はてなダイアリー・はてなブックマークを初めとする各種ウェブサービスを提供しているはてな(http://www.hatena.ne.jp/)で,主にインフラ全般と,エンジニア全体の技術の底上げを担当しています.これまでは,ウェブサービスは一瞬のアイデアと手の速さが求められることが多かったですが,成熟と共に確固とした技術(特に大規模データを扱う技術)を持ち,継続的に発展させていける企業のみが生き残れるようになりつつあります.そのため,はてなの社内でも情報科学の基礎体力と研究的アプローチの方法論が重視されており,それらを実践できる人材が求められています.ベンチャーと博士のような研究は相反する進路に思えるかもしれませんが,博士を取れるぐらいの知識と経験は,むしろベンチャーでこそ実戦で生かされると感じています.
http://d.hatena.ne.jp/stanaka/
菱山 玲子
(2005年3月博士課程修了)
早稲田大学理工学術院/准教授
学生時代は,マルチエージェントシステムの技法を応用し,インターネット上の電子取引を想定した次世代の調達基盤モデルを研究しました.初夏には燃え立つような新緑の吉田山,冬には白雪を冠した比叡山を望むことができる研究室には,内外の第一線の研究者の来訪が絶えることなく,最先端の研究をリードする研究拠点らしい雰囲気が満ちていました.多くの刺激を受けながら,先生方や研究活動を支えるコーディネーターの方々の温かい支えを得て,未来の情報環境を支える技術と社会をダイナミックに俯瞰する視点で博士研究をまとめることができました.
博士課程修了後,私は大学教員として独立した研究室をスタートすることになりました.主宰する研究室では現在,分散人工知能の技法を用いた知識コミュニティの活動支援に加え,フィールド中心の情報技術を重視し,ビジネス倫理やCSR・科学技術コミュニケーションなど,持続可能社会を支えるための人間活動を支援する情報技術と参加型デザインの研究を行っています.
国際的なステージで情報分野の先端研究を常にリードし,斬新で個性的なコンセプトとアイディアに溢れた技術を産み出し,多くの研究者や情報社会のオピニオンリーダーを輩出し続けている石田先生の研究室は,私自身の研究室がめざす,ひとつの理想モデルです.受験生の皆さんが,この優れた研究環境で,新たな知を産み出す過程に関与されることを期待しています.
http://www.f.waseda.jp/reiko/index-j.html
ベアード・野村・早恵子
(2000年3月修士課程, 2004年3月博士課程修了)
ヒューマンセンタードデザイン研究所 /
ユーザ・エクスペリエンス・スペシャリスト
(Institute for Human Centered Design / User Experience Specialist)
私は,石田研初の文系学部出身者でした.石田研在籍時には,計算機科学の知識を身につける事と同時に,自分のバックグラウンドをどう活かせるかを常に考えていたように思います.博士論文テーマであった,ウェブの研究者コミュニティマイニングもそうですが,特に2002年に石田先生と立ち上げ運営したIntercultural Collaboration Experimentが,その後の私の研究の方向性をはっきりさせてくれました.2004年にアメリカに移り,様々な場面でのCMC/HCIをエスノグラフィック手法を用いて研究しています.
博士号取得後,(財) 吉田育英会の助成金を得てアメリカに研究留学をしました.アメリカの大学では, 様々な場面でのCMC/HCIを,エスノグラフィック手法を用いて研究しました. 最初に所属したUCSDでは,ボーイング社のプロジェクトに参加し, 新型旅客機B787のコックピットデザインに携わりました.日本を主とする航空会社の,サービス飛行中の旅客機のコックピットに座り,パイロットの行動を分析.結果はB787のディスプレイ,パイロット訓練デザインに活かされたほか,CSCW2006で論文発表もしています.2007年8月にコーネル大学にリサーチアソシエイトとして移籍してからは,遠隔地同士の異分野研究者間の共同研究のあり方の観察研究をし,分析結果をCSCW2008にて発表しました.2010年には学術界から抜け,ボストンにあるヒューマンセンタードデザイン研究所(ユニバーサルデザインに関する教育・コンサルテーションNPO)にてユーザ・エクスペリエンス・スペシャリストとして参加しました(現在は,当機関に席を置きながら,二児の子育て中心の生活をしています).
石田研の5年間は,理系と文系の境界領域,そして学術界と産業界をつなぐ領域で活躍できる素養を与えてくれました.今後受験される方,また石田研でご活躍の皆様,自分の研究がどのように世の中を変えるかを念頭に,がんばってください.石田研はそれを可能にする研究室だと思っています.
伊藤 英明
(2004年3月博士課程修了)
オムロン株式会社 技術本部コアテクノロジーセンタ
石田研究室に進学を検討されている皆さん,こんにちは.オムロンの伊藤といいます.早いもので,今年で入社5年目になります.
社会に出てから大学とまったく同じテーマで仕事を続けることはまずありません.
私の場合,大学ではCRESTのプロジェクトに参加し,仮想空間を使ったコミュニケーションをテーマに研究を行いました.しかし入社後すぐに任された仕事は,パワステのフィーリングを向上させる制御アルゴリズムの設計でした.
制御工学については素人同然の私でしたが,インタラクション設計の観点から課題を再定義することで事業部の制御技術者達と対等に議論し,周囲の期待以上の成果を残すことができました.
今思えば,1) 海外を含め,様々な専門家と日常的にコラボレーションの機会があった研究プロジェクトへの参加,2) 専門知識ではなく研究の方法論を伝えたい,という石田先生の熱心なご指導,3) 学生から教官まで全員が極めて高いレベルにあり,ときに厳しくも知的刺激に溢れた環境,という石田研での貴重な経験を通じ,仮説立案力やコラボレーション能力,そして自信といった財産を身につけることができたおかげと考えています.
なお石田研究室の博士課程では,研究室から初任給相当の生活費が保証されます.
この制度はアメリカでは普通のようですが,経済的な理由でバイトに精を出す必要が無く,3年間研究に打ち込むことができる素晴らしい制度です.
数々の恵まれた機会と環境を最大限活かすことで,現在そして将来石田研に在籍される皆さんの学生生活が,ご自身の望むプロフェッショナルの道に繋がることを願ってやみません.
神田 崇行
(1998年3月学部卒業, 2000年3月修士課程, 2003年3月博士課程修了)
ATR知能ロボティクス研究所/上級研究員
石田研究室にいた頃から人と関わるロボットの研究をしていました.高さ1mほどのやや大きなロボットを使っていたためか,2号館という別棟の地下室に籠もって研究していた頃が懐かしいです.そのロボットを,時計台の前で動かしたこともあります.現在は,その研究の延長なのかもしれませんが,ATR知能ロボティクス研究所というところでコミュニケーションロボットの研究をしています.子供サイズの人型ロボットに,どのようにすれば人同士が対話するような自然な振る舞いをさせることができるのか,そして社会の中でどのような役割をロボットに持たせることができるのか,研究を進めています(詳しくはホームページをご参照下さい).
まだ学生の皆さんは,「情報」というと,何かコンピュータに関わること,といったイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか.実際,僕も大学に入った頃はそのようなイメージをもっていました.しかし,実際のところは,情報システムが社会の中にどのように組み込まれ,人とどのような接点を持つのか,という石田研で学んだ「社会情報学」の視点が,情報学研究科で学んだことの中でも,今の僕の研究に大きく役立っているように思います.現実的に,世の中のためになる情報システムを考えるためにも欠かせないと思います.ぜひ,皆様も,石田研で学び,大きな視野で「情報」に関わることができるようになりますように!
http://www.irc.atr.jp/~kanda/j-index.html
小山 聡
(2002年3月博士課程修了)
北海道大学 大学院情報科学研究科 複合情報学専攻/准教授
私は数理工学専攻の修士課程を修了後,3年弱の間企業に勤めていましたが,退職して博士課程に入学しました.学生時代は主として,ユーザの入力したキーワードに,機械学習を用いて抽出した「検索隠し味」と呼ばれるキーワードを付加することで,特定の分野のページだけを検索できるようにする専門検索エンジンの研究を行いました.この研究はIJCAIいう人工知能分野の難関な国際会議に採択され,石田先生と一緒にとても喜んだ思い出があります.また,石田研での研究会や外部の研究者とのセミナーは常に真剣な議論が行われる厳しいものでした.
現在,私は大学の教員をしていますが,他の研究者との議論や学生への指導などの面で現在の仕事にも多くのことが活かされていると思います.学生時代にはプロジェクトへの参加や学会の運営など,多くの対外的な活動も行いました.また,経済的にも,育英会奨学金やTA・RA,3年目には日本学術振興会特別研究員に採択され,困ることはありませんでした.博士課程での経験は,大学教員だけでなく,企業において自立した研究者として活躍する際にも,必ず大きな力になると思います.
http://kussharo.complex.eng.hokudai.ac.jp/~oyama/
岡本 昌之
(1998年3月学部卒業,1999年9月修士課程,2003年3月博士課程修了)
(株)東芝 研究開発センター 知識メディアラボラトリー/研究主務
私は元々コミュニケーションの仕組みや円滑化に興味があり,在学中は対話エージェントや異文化コミュニケーション支援システムに関する研究を行っていました.入社後は,主にセンサ情報からの状況認識や,テキストやメタデータからの情報抽出・検索の研究開発に関わり,現在はチームのサブグループリーダを務めています.これまで私が関わった研究の一部は,デジタル機器の機能やサービスとして実用化されています.
石田研究室には,様々なバックグラウンドを持った人達が集っており研究活動も日常的に国内外の組織と連携しながら行うため,刺激を受けながら過ごすことができました.先生の厳しい(?)ご指導で成長することができ,また公私共にお世話になっており感謝しています.
博士後期課程進学を考える方にとっては費用・就職の面で不安があると思いますが,私の場合は幸いどちらも問題にはなりませんでした.費用については,研究プロジェクトやRA/TAによる給料,一般の奨学金があり,研究に専念できました.就職については,在学中の研究分野によらず,技術に対する目利きや研究の方法論,後輩の指導面での役割が期待されました.良い技術者になるためには必ずしも博士号がなくてもよいですが,国際的には博士号を持って初めて一人前の研究者として扱われるように感じます.研究者を志す人はぜひチャレンジして頂きたいと思います.博士課程では,国際会議での発表や国際シンポジウムの運営に数多く携らせていただき,入社以降もその経験が役立っています.
研究面でだけではなく,様々な人と交流し,新しいことに挑戦しつつ実り多い研究室生活を送って頂きたいと思います.
http://www004.upp.so-net.ne.jp/mok/r/
十河 卓司
(1997年3月学部卒業,1998年9月修士課程,2001年9月博士課程修了)
NECサービスプラットフォーム研究所
私は「分散視覚システム」の研究を行っていました.屋内や屋外に設置した沢山のカメラを使い,ロボットの誘導や人の移動経路の記録などを行うというものですが,テーマの性格上外に出て行くことが多く,遠方まで機材を運んで実験やデモを行うことも度々ありました.また,北米に滞在して研究をするという大変貴重な経験もさせていただきました.
この時の経験は今でもいろいろな面で役に立っていると感じます.ちなみに博士課程在籍時には,石田先生をはじめ研究室の方々のご支援の下で日本学術振興会の特別研究員に採用されていましたので,研究活動に集中することができました.
現在は,NECの中央研究所でユビキタスシステムのアーキテクチャの研究を行っています.大学在籍時とは異なる分野ですが,博士時代に培った物事を深く追求する能力を生かして(?),少し風変わりなモバイルサービス構築基盤などを提案してきました.このシステムは進化を重ね,現在では某鉄道会社のモバイル乗車券システムなどで100万人を超えるユーザの携帯で利用されるまでになりました.
情報技術の分野は,今後ますます他の分野と融合しながら発展を続けていくと思います.そんな混沌とした状況の中では,専門技術や経験をしっかり身に付けた人が必要とされるでしょう.皆さんも,これからの世界を引っ張っていく人材を目指して頑張ってください.
最後に,これは自戒の念も込めてですが,今日インターネット上には様々な情報が溢れ,何でも簡単に調べられるようになりました.ですが,それだけで安易に結論を出さず,実際に自分の目で見て肌で感じてみることも大切にしてください.そうやって初めて分かることも少なくないと思います.
中西 英之
(1996年学部卒業,1998年3月修士課程,2001年3月博士修了)
大阪大学大学院 工学研究科 知能・機能創成工学専攻/准教授
卒論,修論,博論,そして助手(助教)まで,10年以上も石田研究室にお世話になりました.その間,「社会的インタラクションを再現する仮想空間」という同じテーマの研究を続けることができ,FreeWalkという仮想空間のソフトウェアを開発させて頂きました.
振り返ってみると,博士に進学したことと同じ研究を続けられたことには関係があるように思います.仮想空間が世の中にとってどれくらい重要なのかは良く分かりません.大学に残って「意味無いんじゃないの」と言われかねないようなことをやり続けるという人生の選択肢には魅力は無いかもしれません.しかしながら,これは研究に限りませんが,新しいことをやったり新しいものを作ったりすれば多かれ少なかれ文句を言われるものであり,詰まる所,自分のやっていることに自分で納得できていることが重要だと思います.
仮想空間の研究を始める背景にはゲーム少年だった過去があるわけですが(http://smg.ams.eng.osaka-u.ac.jp/~nakanishi/hni_login20century.jpg),ゲーム制作についても研究についても同様にそのような考えを抱きます.博士に進学した理由は,自分が納得できることをやり続けるためだったような気がします.学問において自分の納得を最重要視する,それが「自由の学風」なのかなと解釈しています.
http://smg.ams.eng.osaka-u.ac.jp/~nakanishi/
八槇 博史
(1995年3月学部卒業,1996年9月修士課程,1999年9月博士課程修了)
名古屋大学 情報連携基盤センター/准教授
在籍時はいろいろなテーマにトライし,また多くの貴重な経験をしました.最終的な博士論文のテーマである,市場経済モデルを使ったネットワークの制御は,私が修士1年のときにミシガン大学のWellman准教授と石田先生との共同研究から生まれた研究テーマでした.「今度Wellmanというのが来るから何かやってみない?」と言われ軽い気持で承諾したのですが,お二人の議論についていってシミュレーションをしては結果を提出する毎日はなかなかに大変だったのを覚えています.そのほか,国際会議ICMAS96では当時はまだ珍しかったモバイル端末で会議サポートの実験サービスをしました.このような先端的な活動に触れることができるのは,大学の研究室ならではです.
大学院,特に博士課程に進学するにあたってどうしても気になるのは金銭面の問題でしょう.私が博士課程のときは日本学術振興会の特別研究員(DC1)として奨学金をいただいていました.審査はそれなりに厳しいのですが,通れば学生としては申し分のない額(当時で月20万)が支給されます.修士課程で十分な実績をあげることで,博士課程に不安なく進める仕組みができています.
課程終了後は京大で助手・講師を務めた後,現在は名古屋大学で情報基盤ネットワークの企画・運営に携わり,それと関連した研究活動を行っています.アカデミーに進むことが大学院からの唯一の進路というわけでもありませんが,情報化社会の最先端に触れ発展に携わる場としては有力な場所です.そういう世界への入口として大学院への進学・受験を考えてみられるのは有益なことだと思います.
http://www.net.itc.nagoya-u.ac.jp/~yamaki/
|