移動通信端末や測位システムの普及にともないユビキタス環境が整ってきつつあります. その環境を利用することで,携帯端末を通じて交通制御や避難誘導を行う大規模なナビゲーションシステム(メガナビゲーション) の実現が可能となります.
ユビキタス環境を利用することで,群衆に同じ情報をブロードキャストするような誘導システムではなく, 個別の通行者に対して個別の誘導をするシステムが構築できます.
個人の性質や状況,周辺の人間とのインタラクションを考慮した誘導を行うために,人間をエージェントとして モデル化してシステムに取り込み,マルチエージェントシステムとしてメガナビゲーションシステムを構築する アプローチを考えています.
メガナビゲーションについて詳しい説明はこちらをご覧ください.
本実験は,「デジタル・シティ・プロジェクト」の中で行われました.本研究では,仮想の都市空間を使い,仮想的な避難訓練を行いました.
地下鉄京都駅の改札から階段,ホームに至る区域の天井に28台のカメラを設置しました.乗客の動きをカメラで把握し、仮想の地下鉄構内に反映し、誘導者はコンピューター画面の仮想空間を見ながら携帯電話を通じて指示を出すことで誘導を行いました.本実験では,帽子にランプを付けた学生ら17人に参加してもらいました.地下鉄京都駅構内で火災が発生した想定で,メールにより誘導を行う実験をしました.



京都大学情報学研究科社会情報学専攻メガナビゲーション研究グループ(石田亨教授)として,(株)KDDI研究所の協力を得て行いました. 本実験は,エージェント技術を用いて,GPS携帯電話のユーザに災害情報や避難誘導などの位置依存のサービスを個別に提供するものです. 実験の参加者は,各自のソフトウェアエージェントから, 避難場所の位置や周辺の情報をGPS携帯電話で受け取り,指定された場所へと避難します.
この実験を通じて,社会的なインフラとして定着してきたGPS携帯電話を用いた個別誘導の可能性を検証しました. ソフトウェアエージェントを通じてユーザに情報を送る技術として, 戦略的情報通信研究開発推進制度の助成を得て, 京都大学, 日本アイ・ビー・エム(株), NTT西日本みやこ支店により開発された大規模エージェントシステム(Caribbean/Q)を用いました.
少人数の被験者を用いて,大規模な避難誘導実験を行うために, 大規模エージェントシステムを用いました. 実空間のユーザと, 仮想空間のさらに多数のエージェント群の組合せることで, 大規模な避難誘導実験を試みました.
京都市内で地震が発生したものとして避難訓練を行いました.参加者はGPS携帯電話で位置を計測し,システムサーバへと送信します.サーバでは,各々の参加者を担当するソフトウェアエージェントが現在地と最寄りの避難場所の位置を示した避難地図を作成し,参加者の携帯電話へと送ります(図1).ユーザは,この地図をもとに避難場所へと避難します.避難中には, 火災などの二次被害の情報も提供されます.被験者の携帯電話から定期的に送信される位置情報に基づいてセンターからの地図情報が更新され,二次被害の情報が表示されます.ユーザは二次被害の発生場所を避けながら経路を選択していきます.
管制センターのモニタースクリーンには,全参加者の情報とともに, 避難シミュレーション(図1)の様子も表示されます. 誘導者はこのスクリーンを用いて, 近くに位置する複数の参加者をグルーピングし誘導指示を行います. このように大規模な避難誘導を模擬体験していただくとともに, それを支える技術基盤の検証を行いました..
管制官のモニターには,参加者の位置やシミュレーションの様子が表示されます(図1).赤い丸が参加者およびシミュレーションのエージェントを表しており,誘導者はタッチパネルを利用して二次被害情報を追加し,参加者を選択し避難の方向を指示することができます.各々の参加者を支援するエージェントが, 誘導者の指示に添って避難経路を計算します.
地図上のユーザをポイントすることで,ユーザの携帯電話に送信した地図,エージェントが避難経路を選択する様子などが確認可能です. (画面中央の丸で囲まれたユーザの携帯電話を画面左に表示. ユーザを支援するエージェントの動作が表示されている. )GPSで計測した現在地(赤い丸)の周辺の地図が表示されます.青い四角は避難場所,赤い×印は二次被害の位置を表しています(図2).
実験システムについてさらに詳しい説明は,こちらのスライド をご覧ください.
これらの記事は,各新聞社の許可を得て掲載しています.記事の著作権は各報道機関に属します.
掲載記事は論文・報道のページをご参照ください。
本研究は,以下の助成によって行われました.