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パネルディスカッション

講演日程
人工知能と知識処理研究専門委員会(AI) / 異文化コラボレーション時限研究専門委員会(IC) パネル討論 11月30日 午後
テーマ
共生プログラミングが情報社会を救う
概要
近年のオフショア開発の増加は、日本からソフトウェアの開発力を奪ってしまいそうな勢いです。しかし、ソフトウェア開発力はわが国の情報社会の成熟に必要ではないでしょうか。本パネルでは、企業の工業的なソフト開発ではなく、NPOや市民の社会的なソフト開発の現状を知ろうと思います。その違いは以下のようなものです。

* 明確な発注者がいない:仕様はコミュニティの中でむにゃむにゃと決まる
* 明確な期限がない:いつまでも作り続ける
* 効率を考えない:例えば、キャンプファイヤーをやりながらソフトが開発される
* ソフト開発がコミュニティと一体化している:そのソフトしか作らない

などなど、およそこれまでのソフトウェア工学の基準では計れません。工業的 ソフトウェア開発がオフショアに移っても、コミュニティにおける共生プログラ ミングが、日本の情報社会を崖っぷちから救ってくれるかもしれません。

パネリスト

鯵坂 恒夫 氏

1980年京都大学理学部物理学系卒、85年同大学院工学研究科情報工学専攻博士課程研究指導認定退学、88年工学博士、85年京都大学工学部情報工学科助手、90年同助教授、97年より和歌山大学システム工学部デザイン情報学科教授。専門領域はソフトウェア工学。最近の興味はソフトウェアの意味的なモデリング、肥大化するプログラムの再編統合、ITと社会科学の境界領域、など。2003年より日本ソフトウェア科学会理事・同ソフトウェア工学の基礎研究会主査、06年より電子情報通信学会ソフトウェアサイエンス研究専門委員会副委員長。

高崎 俊之 氏

1999年東京大学精密機械工学科卒、2001年同大学院新領域創成科学研究科修士課程修了。同年、株式会社セガからの米国マサチューセッツ工科大学メディアラボでResearch Affiliate。2001年911を契機に世界の子供達がICTによって個人的につながる環境「ユニバーサルプレイグラウンド」の実現を現パンゲア理事長:森と共に構想。2002年に独立し同ラボのVisiting ScientistとしてProject Pangaeaを立ち上げ。2003年に日本にてNPO法人化。以来、ピースエンジニアリングによって日本・韓国・オーストリア・ケニアなど世界に実証フィールドを持つ研究開発型NPOパンゲアの副理事長兼最高技術責任者、そして陸海空でソフトを創るピースエンジニア。2004年に言葉の壁を絵文字で越えるシステムで(独)IPA未踏ソフトウェア創造事業採択。2006年京都大学情報学研究科COE研究員。

永田 周一 氏

2005年同志社大学法学部卒。現在、慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程に在籍中。ヒューマン・インタフェース、市民ネットワーク・NPO活動などに興味がある。「洛西一周」のハンドルネームで、ソフトウェア作家として独創的なソフトウェアを開発している。代表作はスクラップブックソフトの「紙 copi」。その最初のバージョンは高校2年の時に開発し公開した。その後、ウェブで共有できるマルチメディアボード「NOTA」などの開発に取り組んできた。NOTAは、現在、横浜の市民団体や小学校等で積極的に活用されている。2005年より市民、研究者、 学生、企業から有志約50名が集まる「NOTAネットワーク」とよばれる開発コミュニティを主宰している。NOTAネットワークは、「プログラマ以外の人でも参加できるオープンソース的コミュニティ」である。市民と開発者との活発な対話により見いだされたアイデアが日々新たに開発されている。

安川 直樹 氏

2000年京都大学農学部生物生産科学科卒、2002年京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻修士課程修了、2006年同博士課程研究指導認定退学、現在、京都大学大学院情報学研究科JSPS助手。 研究テーマは、PDA・GPSを用いた環境教育支援システムの開発・評価で、社会に根付く情報システムを目指す。2003年度より京都市立稲荷小学校の5・6年生の教科「総合的な学習の時間」を舞台に、小学校との協力体制のもと、教育現場で実際に使用しながら問題点を洗い出し、システムを精錬するプロセスを継続しておこなっている。大学院生の授業への参加や小学校の教諭や児童との対話を通じて、現場の意見を積極的にシステムに反映している。