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インクルーシブデザイン

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 7.1 デザインプロセスへのユーザの参画
 7.2 デザインワークショップでの気づき
  7.2.1 インクルーシブデザインワークショップの流れ
  7.2.2 なぜワークショップか
  7.2.3 ワークショップ運営の体系化
  7.2.4 デザインワークショップの運営
 7.3 デザインワークショップの具体的進行と準備
  7.3.1 プロダクトデザインを例としたワークショップ
  7.3.2 情報ナビゲーションデザインを例としたワークショップ
 7.4 デザインワークショップの分析の視点と情報保障
  7.4.1 分析の視点
  7.4.2 効果的な情報共有という視点
 7.5 まとめ

フィールド情報学における位置づけ

フィールドで生じる諸問題に対して,情報学視点からその解決法を提案し,記述,予測, 設計,伝達から構成されるものがフィールド情報学である.フィールドの捉え方やそこでの 情報の働きについて自然観察,人間観察,イノベーションという3つのシナリオに大別するとき, インクルーシブデザインは社会生活にイノベーションをいかに起こすかに結びつく. イノベーションとは,単に技術革新が起こるだけではなくそれを実現する生産方式の革新や, 新市場や新資源の開拓,経営組織の変革をも含む.重要なことは,「誰が」社会的に意義の ある変革だと認めるのかである.誰もみたことのない方法で,誰もみたことのない変化が 起こるだけでは,それはイノベーションではない.社会を構成する生活者自身が, 予め気づいてはいないけれども,後になってみれば受容可能な価値が実現されるべく, 「潜在する,あるいは存在しないニーズの共創」がユーザとデザイナ,あるいはエンジニアらとの 対話の中に創造されることが肝要である.

概説

インクルーシブデザインは,製品開発の初め,デザインコンセプトを練る段階から,障害の ある人や高齢者をリードユーザとしてデザインプロセスに巻き込む(インクルードする)手法である. 誰にとっても使いやすいことを目指すという点では,ユニバーサルデザインと同じだが, 最初からすべての人を想定することの難しさを克服するため,ただ一人の個人に徹底的に 向き合うことからデザインを始める点が特徴的である.多様なユーザニーズは研究者の想定を はるかに超えて複雑である.情報学研究においては,とくにユーザがどんなニーズを想定すべきか, ユーザ自身ですら事前にイメージすることは難しい.ユーザを情報学のデザインプロセスに 巻き込むことで,はじめてそのニーズが顕在化され,情報学のデザインプロセスそのものも, ユーザの生活の中に巻き込まれていく.このような相補的関係が重要である.

プロダクトデザインやシステムデザインにおいて,ユーザとデザイナの直接の対話は限定的である. 多くのプロダクトは,デザイナのユーザ像に対する想像力に依存しており,想定外の使用に脆弱である. お金を料金投入口に入れようと自動販売機の前で背伸びする子どもや,券売機の料金投入口の スリットを見て左右どちらに貨幣を投入しようか迷っている高齢者との出会いなど,日常の何気ない 出来事に鋭敏な感覚をもって接しなければ,ほとんどの場合が気づかずに見過ごしてしまう. インクルーシブデザインは,生活者個人の視点からその「気づき」をユーザとシステム開発者の 直接対話の中に顕在化する手法である.

事例

本章では,プロダクトデザインと情報ナビゲーションを対象としてインクルーシブ デザインワークショップの実践事例について紹介している. プロダクトデザインとしては,日用品の一つである「傘」をテーマに,視覚に障害のある ユーザや車イスユーザらが,ふだんどこに傘をしまっていて,どのようにさし,さらにしまうか, といった日常の困難とそれに対する工夫についての調査から多くのユーザにも普遍化可能なニーズの抽出を 目指した.さらに物理的な対象と異なり,具体的な制約条件を抽出することが困難な 情報ナビゲーションのデザインについても取り上げた.全盲や弱視者のあいだでの 「見えにくさ」の個人差や,車イスユーザとの視点の違いによる認知マップの相違などが,ユーザが 必要とする情報ナビゲーションにおいて基幹部分の抽出を促す.